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■作品について
題名:二幕の愉快なメロドラマ「愛の妙薬」 L'elisir d'amore
作曲:ガエターノ・ドニゼッティ Gaetano Donizetti
台本:フェリーチェ・ロマーニ Felice Romani
(原作:オーギュスタン・ウジェーヌ・スクリーブ Augustin Eugène Scribe)
初演:1832年5月12日、イタリア、ミラノ
<第一幕>
いささか昔、ヨーロッパのとある農村にて。
夏の麦刈りの手を休め、村人たちは汗を拭っている。その内の一人、貧しい青年ネモリーノは裕福な家の娘アディーナに恋い焦がれている。しかし野暮ったく口べたな彼のことを皆はいつもからかってばかりだ。
そこへ兵士を引き連れたベルコーレ軍曹がやってくる。キザで傲慢なこの男は、娘たちの中に一際輝くアディーナの姿を見出すや、いきなりプロポーズに及ぶ。とんだ成り行きに村人は愉快がり、ネモリーノはいら立つが、軍曹だろうと誰だろうと自由気ままな彼女の心を捕えられる者などいはしない。
しかし、村にやってきた第二の客によって事態は急変する。薬屋を名乗るドゥルカマーラ博士は、さまざまな薬を披露して村人たちをすっかり虜にする。そしてネモリーノも、騎士トリスタンとイゾルデ姫の伝説に名高い「愛の妙薬」を、なけなしの財産と引き換えに手に入れる。一日待てば、あら不思議、アディーナはきっと僕のもの!
一方、アディーナは豹変したネモリーノの様子に呆れ、腹立ちまぎれにベルコーレ軍曹の求愛を受けてしまう。それでもネモリーノは余裕の態度。しかし急に下った出発命令を聞いて、アディーナと軍曹が今日中に結婚すると言い出すや、ネモリーノの希望はあっけなく砕け散る。
<第二幕>
アディーナとベルコーレ軍曹の成婚を祝って村人たちは祝杯をあげる。ドゥルカマーラ博士も自作の歌を披露し、和気あいあいのところに公証人も駆けつける。契約を交わせば正式に結婚成立だ。
ネモリーノはドゥルカマーラに薬の効き目を早めてくれるよう頼むが、薬屋としては一文無しの彼に用はない。金さえあればと悩むネモリーノの前にベルコーレ軍曹が現れ、支度金をエサに入隊を勧める。愛を得て村を去るか、愛を失って村に残るか。ネモリーノはついに入隊の契約を交わし、再び愛の妙薬を買いにいく。
ここで、ひょんなことが起こる。遠い町に住むネモリーノの叔父が、長患いの末に亡くなり、ネモリーノに莫大な財産を遺したというのだ。噂を聞いた女たちは色めきたち、これまで鼻も引っかけなかったネモリーノにお世辞、おべっか、色目を使う。これこそ薬の効果だと浮かれはしゃぐネモリーノに、びっくり仰天の薬屋。女たちに囲まれ上機嫌のネモリーノの姿にアディーナは憤り、焦る。
どうしてこうなったのか。ドゥルカマーラ博士はアディーナに教える。不思議な愛の妙薬と、それを買うためにネモリーノが払った犠牲を。全てを知ったアディーナは自分のとるべき道へと向かう。
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