W.A.Mozart オペラ「コジ・ファン・トゥッテ 〜恋人たちの学校〜」
日本語訳詞 by桂木農

※一部をサンプルとして掲載します。
※オペラ・コミーク形式での公演用のためセッコは台詞となっております。


第一幕


(1.Terzetto−−−フェルランド、グリエルモ、ドン・アルフォンゾ)

フェルランド いや、ドラベッラは清純だ!誰よりも。
       女神のような美しさ、花も恥じらう処女だ。

グリエルモ  僕のフィオルディリージも清純さ!誰よりも。
       一途に僕を愛してる。
       浮気なんて絶対するものか。

アルフォンゾ 若者らしく真面目な事。
       まあ、良いだろう。こんな事で争うこともないだろう。

フェルランド ┏いや、貴方は疑っただろ!確かな証拠が見たいよ。
グリエルモ  ┗いや、貴方は疑っただろ!確かな証拠が見たいよ。

アルフォンゾ やめた方が・・・

フェルランド ┏やめられない!さもなければ、さもなければ、決闘して名誉を守るまで!
グリエルモ  ┗やめられない!さもなければ、さもなければ、決闘して名誉を守るまで!

アルフォンゾ かわいそうな奴

フェルランド ┏名誉のため
グリエルモ  ┗名誉のため

アルフォンゾ 愚かな奴

フェルランド ┏恋人のため
グリエルモ  ┗恋人のため

フェルランド ┏いくら 何でも あの言葉は、捨て−て おけないぞ。
グリエルモ  ┣いくら 何でも あの言葉は、捨て−て おけないぞ。
アルフォンゾ ┗  まさか よもや 本当に何も知ら−ずにいるのか?

フェルランド ┏いくら 何でも あの悪口、 放−って おけないぞ。
グリエルモ  ┣いくら 何でも あの悪口、 放−って おけないぞ。
アルフォンゾ ┗  まさか よもや 本当に何も知ら−ずにいるのか?

フェルランド ┏決闘−−せねば! 決闘−−せねば!
グリエルモ  ┣決闘−−せねば! 決闘−−せねば!
アルフォンゾ ┗無謀な奴等だな。 無謀な奴等だな。

フェルランド ┏こいびとの名誉のため!
グリエルモ  ┣こいびとの名誉のため!
アルフォンゾ ┗本当のこと知らぬとは。

(台詞)
グリエルモ  さあ、決闘だ!剣を抜いてください。
       最初は僕が相手です。
アルフォンゾ くだらないな。私は平和主義なんでねえ。
       それとも、軍人が二人がかりで老人を虐めるつもりかい?
フェルランド ともかく・・・どうして僕たちの恋人が尻軽だと言えるんです?
       何か根拠があるんですか?
アルフォンゾ なかなか真面目な青年だな。わが国の前途は有望だ。
フェルランド ふざけないで下さい。
       僕の恋人は、天に誓って・・・
アルフォンゾ 大地に誓って! 私は真実を言っているんだ。
       一体全体、君達は彼女らを何だと思ってるんだ?
       天国から来た女神様か、はたまた、普通の女なのか。
フェルランド ┏女ですよ!
グリエルモ  ┗女ですよ!
       しかも、美しくて清らかな・・・
フェルランド そう、まるで女神のような。
アルフォンゾ 初めはみんなそう言うのさ。
       やがて失望するとも知らないで。

(2.Terzetto−−−ドン・アルフォンゾ、フェルランド、グリエルモ)

アルフォンゾ 女子の操など幻の火の鳥だ。世間は騒ぐが、
         そんなものは、何処にも、何処にも無いのさ!

フェルランド いや、僕のドラベッラが!

グリエル   いや、僕のフィオルディリージが!

フェルランド ドラベッラ!

グリエル   フィオルディリージ!

フェルランド ┏まさしく ド ラ ベ ッ ラが。
グリエルモ  ┗まさしく フィオルディリージが。

アルフォンゾ 頭を冷やして、静かによく考えてみるのだ。
       女子の操など幻の火の鳥だ・・・

フェルランド ┏まさしく ド ラ ベ ッ ラ、ド ラ ベ ッ ラがそれだ!
グリエルモ  ┗まさしく フィオルディリージ、フィオルディリージがそれだ!

アルフォンゾ 世間は騒ぐが・・・

フェルランド ドラベッラ・・・

グリエルモ  フィオルディリージ・・・

アルフォンゾ 何処にも・・・

グリエルモ  フィオルディリージ・・・

アルフォンゾ 何処にも・・・

フェルランド ドラベッラ・・・

アルフォンゾ 無いのさ。

フェルランド ドラベッラ。

グリエルモ  フィオルディリージ。

アルフォンゾ 無いのさ!

(台詞)
フェルランド オペラでは許されても、世間では許されませんよ!
グリエルモ  もう年だから、あんなこと言うんだよ。
アルフォンゾ 冷静になって考えてみたまえ。
       どうやら君たちは、恋人の操を
         ウィーンの城壁みたいに頑丈だと思っているようだが、
           このナポリの港みたいに開放的ではない、という根拠があるのかね?
       百歩譲って、君たちに一途なのだとしても、
              この先もずっとそうだって保障があるのかね?
フェルランド つきあってみれば判りますよ。
       彼女は心の底まで清純ですよ。貴方よりはよっぽど!
グリエルモ  だいたい、そんじょそこらの女とは育ちが違います。
フェルランド 賢くて・・・
グリエルモ  お淑やかで・・・
フェルランド 優しくて・・・
グリエルモ  素直で・・・
フェルランド 愛を誓って・・・
グリエルモ  愛を交わして・・・
アルフォンゾ 泣いて、溜息して、慰めて、抱き締めて・・・
       まったく、可笑しくて死にそうだよ。

≫≫≫≫≫ とりあえず中略して次の場面を ≫≫≫≫≫

(4.Duetto−−−フィオルディリージ、ドラベッラ)

フィオルディ (恋人の肖像を手に)
        憧れのひと、麗しい顔。
        ほらね、ほらね、気品にあふれ、気高き姿。いつまでも見詰めていたい。

ドラベッラ  お姉さま、見て。
       ね、いいでしょう?
       輝く瞳・・・湧き立つ勇気と燃え立つ愛が私の心を、いつまでも虜にする。

フィオ    見れば見る程、猛く、いとおしく・・・
ドラベ    まばゆい姿、夜も夢に浮かび・・・この胸を焦がすわ。焦がすわ。

フィオ    ┏あなた 想う愛の幸せ!
ドラベ    ┗   あなた想う幸せ!

フィオ    ┏ もしも愛に背くのなら、愛に背くのなら、
ドラベ    ┗ もしも愛に背くのなら、愛に背くのなら、

フィオ    ┏ 甘い、甘い、恋に苦しむのよ。恋に苦しむの。
ドラベ    ┗ 甘い、甘い、恋に苦しむのよ。恋に苦しむの。

フィオ    ┏ もしも愛に背くのなら
ドラベ    ┗愛に悩み苦しむわー ー ー ー ー ー

フィオ    ┏ 愛の神が悲しむでしょう。愛の神が悲しむわ。
ドラベ    ┗ー ー ー ー ー ー 愛の神が悲しむわ。

フィオ    ┏愛に悩み苦しむわー ー ー ー ー ー
ドラベ    ┗ もしも愛に背くのなら

フィオ    ┏ー ー ー ー ー ー 愛の神が悲しむわ。
ドラベ    ┗ 愛の神が悲しむでしょう。愛の神が悲しむわ。

フィオ    ┏ 悲しむわ。悲しむわ。
ドラベ    ┗ 悲しむわ。悲しむわ。

フィオ    ┏ 愛の神が、愛の神が、愛の神が悲しむわ。
ドラベ    ┗ 愛の神が、愛の神が、愛の神が悲しむわ。

(台詞)
フィオルディ 今朝は何だか落ち着かないわ。
       胸がどきどきするし、世界がみんな煌めいて見える。
       グリエルモはまだ来ないのかしら?
       言いたい事やしたい事がたくさんあるのに。
ドラベッラ  こんなに良いお天気ですもの、きっと何か新しい事があるわ。
       私には判るの。
       こんな朝早くに私たちに会うのは、きっとプロポーズをする為なのよ。
       それで、今日中にも式を挙げて、新婚旅行に旅立つのだわ。
       お姉さま、そう思いません?
フィオルディ そうね。じゃあ、手相を見てあげましょうか?
       まあ、素敵。
       きっと物語みたいに幸せな結婚ができてよ。
ドラベッラ  嬉しい!結婚式は一緒に挙げましょう。
フィオルディ 街中の人が羨ましがるでしょうよ。
ドラベッラ  それにしても、あの人たちはまだ来ないのかしら?
       そろそろ約束の時間よ。
フィオルディ 来たわ。
ドラベッラ  あら、でも、ドン・アルフォンゾさんよ。
フィオルディ ようこそ。アルフォンゾ様。
アルフォンゾ ご機嫌麗しく・・・
ドラベッラ  どうかなさいました?それにお一人で・・・。
       (フィオルディリージに)
       泣いておられるわ。
フィオルディ ひょっとして、私たちの許婚に何か・・・
アルフォンゾ 苛酷な運命だ!

(5.Aria−−−ドン・アルフォンゾ)

アルフォンゾ 何と辛い事、酷い事、告げねばならんのか。
       揺るがし難い大変な事だ。
       いやはや、どうしよう。暗い運命だ。
       さても恐ろしい時代に、生まれたものだ。
       恐ろしい時代だ。恐ろしい時代だ。恐ろしや、恐ろしや・・・

(台詞)
フィオルディ そんなに脅かさないで下さいな。
       それで、何があったのです?
アルフォンゾ お嬢さん方、お気を確かに。
ドラベッラ  あの人の身に何か起こったのね。
       まさか・・・死んでしまったとか!
フィオルディ ええっ、そうなの?ああ、何て事でしょう!
アルフォンゾ あ、いや、そこまではいかないんだが・・・
ドラベッラ  じゃあ、大怪我したとか?
アルフォンゾ 大怪我!・・・それも違う。
フィオルディ 重い病気にかかられたとか?
アルフォンゾ 病気!・・・それも違う。
フィオルディ それでは、何が起きたのです?
アルフォンゾ 王様の命令で、戦争に行く事になったんです。
フィオルディ ┏そんな!
ドラベッラ  ┗そんな!

≫≫≫≫≫ 中略 ≫≫≫≫≫

(台詞)
デスピ    まあまあ、そんな心配するヒマがあったら、
       寂しさを他の男で埋め合わせすればいいんですよ。
       どうせ、あのお二人だって外国の綺麗なご婦人と・・・
ドラベ    あの方を馬鹿にしないで! 気高くて、誠実で、勇敢な人よ!
デスピ    そうね、そうね。子供の相手は疲れるわ。

(12.Aria−−−デスピーナ)

デスピ    男に、兵隊に、期待するの?
       ケダモノに誠実を、男らに道徳を期待するの?
       幸せな考えね、騙されるとも知らず・・・

       男なんて皆同じ。 いやらしいケダモノだわ。
       詐欺師だわ。色事師よ。悪魔よ。
       嘘の涙・・・色目使い・・・
       優しそうな素振り見せ、 私達を騙すのよ。私達を騙すのよ。
       男なんて酷いもの。遊びにしか恋をしない。
       飽きてしまえば終わり。飽きてしまえば終わり。酷いわ。酷いわ!

       だから女達も皆、男共に負けぬように、
       気軽に恋をしましょう。遊びで恋をしましょう。
       気軽に恋をしましょう。ラララ・・・遊びで恋をしましょう。
       気軽に恋をしましょう。ラララ・・・遊びで恋をしましょう。
       遊びで恋をしましょう。遊びで恋をしましょう。

≫≫≫≫≫ 以下略



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